先日のお花のレッスンは苦手な花束レッスン。
春の花をふんだんに使えるのに、花束を作ってと言われたら苦手意識が邪魔して納得できるものができません。
何かに対する「苦手意識」って、持っている人もいるのではないでしょうか?
私のように特定の行動もあるし、人に対してもあると思います。
セラピーのセッションで多いのも「あの人が苦手」というテーマですが、多くの場合、自分の言ってることが理解してもらえないからという話になります。
苦手な人に話しているときの心の中は「なぜわらかないんだ」「なぜできないんだ」「なぜあなたはそうなんだ」の気持ちでいっぱい。
その気持ちを込めたボールは相手が絶対に受け取れないところに乱暴に投げられているのだと思います。
実は、昨日私の叔母が倒れました。一人暮らしで子供もいないので、私は自分の親と同じ責任と心配を担っています。
倒れた理由は、意識障害。ちょうど、一年前の同じ日に、同じ病で倒れています。
そこからいろんな検査と治療を重ね、最近は少し安心できる状態になったと思った矢先でした。
意識障害は相手の話が理解しづらい状態になるので、話が一向にかみ合いません。今も、簡単な話を理解してもらうのに40分かかりました。それでもたぶん、6割くらいしかわかってないかもしれません。
最初、あまりに話がかみ合わないので「なんでこれがわからないの?」と思いましたが、すぐにこんな気持ちでは伝わらないことに気が付き、叔母の話を静かに、良く聞くようにしました。
「わからしてやる」ではなく「何がわからないのか聞く」というスタンスです。
話ながら、自分がとても受容的になっていることに気がつきました。なんでも聞くよ、という感じです。
で、ひとつひとつ、相手の話を理解しようという気持ち100%で聞きました。
すると、「わからない!」と強い口調で落ち着きがなくなっていた叔母が、ゆっくり話すようになり、最後にはとても穏やかに「いつも迷惑をかけてすまない」としきりに言うようになりました。
私の気持ちと聞くスタンスを変えることで意識障害を起こしている人にも伝わるくらいなのだから、正常な人なら余計に敏感に伝わります。
もし、「あの人が理解できない」「あの人が思う通りにしてくれない」「あの人が・・・」と思う方は、自分がどんな気持ちで向き合っているかを考えてみてはいかがでしょうか?
相手が受け取れないボールを投げつけていませんか?
小学生に難しいボールを投げていませんか?
あなたが話している相手は、大人の形をした子供かもしれません。
あなたが話している相手は、同じ国の人に見えて、母国語が違うのかもしれません。
今よりも1センチ、相手の気持ちに近づいて話してみてください。
もしかすると、相手の方が急に成長し理解してくれるかもしれません。共通言語ができるかもしれません。
ぜひ、自分のためにトライしてください。
そして、お体も大切に。自分の人生の持ち時間も大切に。
コミュニケーションは愛だと再認識した月食の夜でした。