「ドリームキラー」ってどんな意味と思いますか?
だいたいは、夢や目標に向かっている人を邪魔する人のことを言います。
人が新しい一歩を踏み出すか、そのまま今の場所にいるかの選択をお手伝いする機会が多い私は、「ドリームキラー」の存在も度々聞くことがあります。
今までの経験で最も多いのが、転職を決意した娘を説得する家族。
セッションで自分の潜在意識の声を聞き、「私、会社辞めます!」と笑顔で帰られた方から数日後に頂くメールは「やっぱり、親が反対するので辞めるのやめます」「親は私のことを一番に考えてくれているので尊重します」「親が泣くのでいうことききます」
なるほど親孝行な選択ですし、会社を辞めないから不幸なわけでもありません。その後結婚して幸せにお過ごしの方も多いです。ご家族も良かれと思って言うことです。
しかし、私は時々思います。ご本人が望んでいたのに選ばなかった道に行っていたら、どんなことが待っていたんだろうと。
反対に、周りに反対されても自分の選択を曲げなかった方の多くが、今でも折に触れセッションに来られます。内容は悩み相談でなくさらなるステップを目指すためのものです。
「ドリームキラー」の多くが、「あなたのため」という看板や「常識」というプラカードを背負ってやってきます。
ドリームキラーとは種類が異なりますが、私の昔話をひとつだけ。
最初に勤めた会社を退職しようとしていた時のことです。
ひとつ上の先輩にとても美人の「優しい人」を絵に描いたような人がいました。
異動してきたばかりの私に「困ったことがあったらなんでも私に相談してね!」「いつでも手伝うよ」「一緒に頑張りましょうね!」と、いつも天使のような笑顔で優しく声をかけてくれる人でした。
世の中こんな優しい人がいるんだといつも感謝し、私もいつかこんなことが言えるような先輩になりたいと思っていました。
ところが、私が会社を辞めることが決まり、部長が私の担当の業務を振り分ける相談があると声をかけたとき、彼女は一転。
今まで見たことのない般若のような顔で、「こんな忙しいのに仕事振られるなんて困るわ!辞めんといてよ!迷惑やねん!」と吐き捨てるように言いました。
私は言われたことより、天使と思っていた人の豹変ぶりに驚き絶句しました。いつも標準語の先輩、その時はコテコテの大阪弁でした。
あの、「なんでも相談に乗るわよ」の笑顔はいったいなんだったんだろう。思ってもないなら言わなければいいのにっと20代前半の私は少しだけ人間不信になりました。
ドリームキラーも、豹変先輩もどこかしら少し似ているところがある気がします。
セラピストは、「こうしなさい」「こうした方が良い」とは言いません。
ご本人の心の奥にあることをご自分で見ていただける様にすることが仕事です。
選択肢がひとつしかないと思っている人に、視界を広げてもらい、他にも選択肢があることを見つけてもらうのが仕事です。
そして、答えが見つかったら全力で応援する。
親しい友人や、ご家族もご本人のことを一生懸命考えておられることはわかります。
ただ、それはご自身の常識やフィルターのかかった意見で、必ずしも正しいアドバイスだとは限りません。
こんな話もあります。
娘さんがとても素敵な男性を見つけてきたのに、ご家族は反対されました。
お母さまの反対の理由は、「私の好きなタイプじゃないから」というものでした。
お姉さまも反対しました。理由は、「勤めている会社が自分が知らない会社だから」でした。。。
こんな理由ばかりではありませんが、自分都合の理由が見られることは多々あります。
なので何かを決断した方は、自分の気持ちを尊重してほしいと思います。
ご自分が決めたときの「おなかに力が入った感覚」「肩がふっと楽になった感覚」「呼吸が楽になった感覚」「目の前が明るくなった感覚」「ふわ~と解放された感覚」「何かが降りてきたような感覚」その他いろいろ。見えた景色、聞こえた音、自分が感じた感覚。
未来は見えないし、先のことはわからないかもしれませんが、誰かの言葉より自分の感覚を大事にしてほしいと思います。
自分が決めたことなら、失敗しても納得できるように思います。
人が決めたことは、うまくいかないと人のせいにしてしまうかもしれません。
自分の人生です。自分の気持ちを大事に、自分を信じて行動して頂けたら嬉しいです。
誰かの犠牲になることなく、自分が行きたい道を歩いてくださいね。