昨日の深夜12時。私は阿波座の一角で夕食の最後の締め、デザートを食べていました。
ランチの12時じゃなく、夜の12時。
しかも、遅メシでなく、スタートしたのは夜の7時。19時です。
なんと、食事時間5時間。
それも、私たちが食べ終わっても居座ったのではなく、普通にテンポよく食べて最後にデザートが出たのが12時前でした。
人生初体験のロングディナー。
予約の時点で、シェフ一人の店なのでコースで3時間かかるとは聞いていたのですが、、、
自分が12時にデザートを食べることになるとは想定外でした。
料理はザっとこんな感じ。写真がないものあります。
剣先イカがトウモロコシのスープに浮かんだもの。
徳島の鱧↓(肉厚で美味しい♪)
この方がシェフ↓熟成肉を調理中
ホントはこのお肉は2切れなんだけどお腹の限界がきたので一つにしてもらいました。
グラス越しにうつるお二人はこの日入籍されたお二人。お裾分けにと店内の人全員にワインをふるまってくださいました。
素敵なお二人♪(とはいえ、店の近くでこちらのご主人とぶつかりかけムッとした私が恥ずかしい。)
で、話は戻って。
こちらのお店、7時に入店し、7時15分ごろに頼んだシャンパーニュが出てきて、最初の料理である生ハムを出してもらったのが7時50分でした。つまり、入店から最初の料理が出るまでに50分。
普通、この時点でお怒りになる方もいると思うのですが、
最初から3時間コースと聞いているからか、みなさん穏やかに歓談。
すべてがこのペースなので、最後のデザートが出るのが12時前になった。
11時半を過ぎた頃、みんなが終電のチェックをしだし、間に合わない人がちらほら。
もうタクシーで帰るという選択が続く。
この間、シェフはなんの動揺もなく、自分のペースで黙々とお仕事をする。
まったく堂々としている。
遅くなってすみません的な焦りはみじんもなく、丁寧な料理の仕上げと、説明をしてくれる。
そこで私は実感する。
実は、私はもう料理会をしてから7、8年になるんだけど、いまだに終わってからの反省が絶えない。
反省の多くは、料理を出すタイミングの悪さ。
私は力量もないのに理想は高く、
冷たいものは冷たいまま、
温かいものは温かいまま、
盛り付けは美しく、
など思うので、やはり時間がかかってしまう。
お待たせしちゃいけないと思う気持ちと相反することがある。
だから一人キッチンで焦りまくる。
料理会の開始時間は主に12時だから、皆さんがお越しの30分前にやることが目白押し。この時間に宗教の勧誘など来ようものなら親の仇のような怒りを感じることがある。
テーブルコーディネーターで素敵なおもてなしをしてくださるMacory先生に相談した時も、
「お客様はこちらが思うほど待っている感はないと思う」
と言ってくださってから少しは落ち込みも減ったものの、お待たせしてごめんオーラは出ていると思う(汗)
終始、「ごめんなさい~」という想いが消えない。
が、昨日のシェフの姿を見て学ぶ。
料理を仕事にする人でも、生ハムを出すまでに50分かかり、デザート前に客の終電が終わっても気にしない。(決して、偉そうにされているという意味ではないです!)
私なら、自分が3時間かかると言ったことが結果5時間になったら、、、もう絶望の淵に立ち平身低頭赤べこみたいに頭を下げ続けるに違いない。
しかしシェフは動じない。
終電がなくなればタクシーで帰ればいいじゃないかと思うのだろうし、
料理が遅いのがイヤなら次から来なくていいと思うんだろうな。
最後に私たちが終電が微妙ってなった時は、梅田までタクシーで行ったらいいと言ってくれそうすると決めたら外にタクシーを止めにいってくれた。
短気な私だか、昨日のお店では1ミリも腹の立つことはなく、なんだか自分にないものを見せてくれている気がして行ってよかったと心から思う。
また行くかもしれなしい、値段の価値もあると思う。
どんな形でも自分のスタイルを決めたら、ブレないってことが大事だと思った。
人に合わせてばかりでなく、「合わないならもう来ないで」って姿勢も大事なのだと思う。
私はすぐに自分が悪いと思うクセがある。
自分が悪いと思うことが多いからしんどくなることもあり、
自信もそがれるだろうしブレもしているのだと思う。
5時間ディナーのシェフのおかげで、大事なものに気づけた気がする。
帰宅後、何軒行ってきたのだと聞かれて「1軒」といったら驚愕された。
そりゃそうだろうな(笑)