三田の畑の中にある蕎麦懐石のお店。
3人でランチに行くつもりで予約していました。
が、当日1名がやむなくキャンセルせねばならなくなり、、、予約した私は開店を待って電話した。
お店は個室のみの完全予約制。
ホームページのトップに、キャンセルポリシーがしっかり書いてある。
「当日のキャンセルは100%お支払い頂きます。」
前日にも予約確認電話が入るような店で、このポリシーはゆるぎない感じがする。
3人とも自営業なので、このあたりの意識は高い。
どんな理由があろうと、自分が行くと言ったのだからお支払いするのは当然と熟知している。
ただ、私が慌てて電話をかけたのは、
食事を用意してもらうと申し訳ないと思ったから。
できるだけ早く連絡ができれば、来ない人の分を作らなくていいからだ。
食材が無駄にならないし、手間も省けると思い電話した。
もちろん、料金は3人分支払うつもりで。
なのに・・・
お店に、1名来れないから2名で伺うというと、
「もうお料理用意しているんです」とかなり困惑した様子。
なので、
「お金は3人分お支払いします!ただ、お料理は2人分にしてください。」
と慌てていった。
お店の人が、お金を払わないと私が言っていると思っているのではと気になったから。
でも誤解はなかった。
お店の人が言うのは、
「出してもいない料理の代金をもらうわけにはいかない」という。
私が言う。
「でも、ご用意頂いているので支払います。キャンセルポリシーも確認していますし。」
それでも、お店の人は言う。
「いや、それは困るんです。出してもいてないのにお金は頂けません」
このやり取りが2、3度続いた。
この辺りで、私は思った。
そんなに出してもいない料理にお金をもらえないというなら、お金も許して。。。あなたたちがまかないで食べて。。。
でも、それは鉄のおきての様に揺るがない様子。
ま、ま、当然である。材料、用意してくれているんだし。
すると、お店の人が困り果てて店長と相談してくると電話を保留にした。
だいぶ長い間待って出てきた答えが、
「やはり、用意しているので3人分出させてください。」
ミセス小食の私・・・目が点。
さ、三人分、絶対食べられない。
私は人よりもかなり食べない。
しかも、この日は普段私が頼むコースよりも品数が多い特別メニュー。
ただでさえ多いのに、さらに多い品数の1人分を私ではないもう一人に全部を託すことになる。
もっというと、普段より多いメニューを完食する自信がない私は、
自分の食べられない分は2人に食べてもらおうと思っていた。
なのに・・・1.5人で3人分食べる!
それは絶対にムリ!
ここでまた押し問答。
いやいや、絶対無理です!残したら悪いので、出さないでください!
ホントに、お金は払いますから、2人分で・・
結局、お店の人は一歩も譲ってくれず、
「残してもいいから料理を出させて」と懇願スタイル。
昨今、日本の食事の廃棄率の高さが問題になり、大盛り好きなインスタグラマーがお店から締め出されている時代に
残して良いから出させてって・・・この意識どうなの?と思いながら電話を切った。
もう一人に事情を話し、「あなたが頼り」と丸投げする私。
お店につくといきなり謝られる。
「本日は無理を言ってすみません。。。」
「いや、こちらもすみません。残しちゃいますがどうぞお許しを。」
で、結局、いない人のお膳も用意され、料理が3人分でつづける。
一皿めの料理から飛ばすように量が多い。
しかも私は気になることがありこの日は食が進まない。
どうしよう・・・残しまくっちゃう。
そんな心配をよそに、出てきた料理を二人分食べてくれる友達。
中盤になっても二人分食べてくれる。
これ・・・もしや完食?
と思いつつ、私はせめて自分の分は自分で食べなければと集中。
結果、デザートまできて、友達はそれも完食してくれた。
す、すごい、、、頼もしい!一生ついてきます!神様に見えます~と言ってしまうくらい私は喜んだ。
お店の人も、わ~食べて頂いてっと大喜び。
(ご飯だけはラップを用意してくれ私が持って帰った)
で、無理やり食べさせてすみませんっとそこの名物のお味噌をお土産にくれた。
その味噌、美味しかったので来れなかった人にせめてものお土産として1つ買うと言ったらさらに喜んでくれた。
店を出てまた畑の中を帰っていったが、ふと思った。
私のあの食べられないから出さないでください発言。ちょっと恥ずかしい(笑)
私がお店の人なら間違いなく言う。
「あんなに食べられないと言って完食してるやん」
が、残してごめんなさいという罪悪感を背負わず楽しく帰ることができ良かった。
持つべきものはいっぱい食べてくれる友達だと心から思った。
そんな夏の想い出でした。