今年二回目の大人の器遠足に行ってきました。
場所は丹波。メンバーはオンライン講座「きっかけ薬膳」にご参加頂いている皆さんです。
器遠足のスポットはいつも信楽か丹波。
丹波焼は、私の当初のイメージでは「地味すぎ」だったのですが、、、
江坂のイタリアンVolareさんが使われている鮮やかな丹文窯さんの器を見てびっくり。
さらに、西宮から丹波に移転した人気のスペイン料理ルナパルパドスさんの丹波焼の使い方に魅せられ毎年通うようになりました。
ルナさんは予約が取りにくいのですがなんと今回は5名で予約が取れて大喜びの私↓
ルナさんに行きたかったのはもちろん料理が美味しいからですが、
何より、皆さんに丹波焼の魅力や自分がすでに持っている器の活かし方がわかると思ったからでした。
で、ちょっと長めのランチタイムの後で私がピックアップしているお店をガンガン。
器遠足というとのんびりしたイメージかもしれませんが、閉店までに効率よく周るにはスピードが大切。
窯元さんやお店ではお茶を入れてくださるところもある中、皆さんに作家さんと話すひと時も味わって頂きたいのですが、
今度いつ来れるかわからない方々なのでお茶の誘いを断って次のお店へと急ぎます。
結果、目的のお店は全部まわることができ、皆さんお気に入りの器に出会って頂けました。
皆さんの「楽しみ~」というお声や、この器に何を盛り付けよう~とイメージされるお言葉も聞けて目的達成。
また、今回は器は見学のみだった方も、目を肥やす機会になったのか、ご自宅へ帰られてから器の使い方が変わりご主人に喜んで頂けたという嬉しいお声を頂きました。
まさに、私が器遠足を続ける理由がここにあります。
「器」は道具としてみれば、紙皿や紙コップでも機能するアイテムですが、
私は考え方を変えれば、人生を変えるきっかけになる道具だと思っています。
料理が好きではない人が、お気に入りの器に出会うことで料理が好きになるかもしれません。
日に何度か頂く食事が、作る必要のある食事が、普段よりちょっと楽しくなるだけでも、人生を変える力を持っていると私は信じているのです。
あるとき、長い付き合いの友人がふと言いました。
「私は人をもてなすことが好き」「人にご飯を食べてもらうことが好き」と全く想定していなかったことを言いました。
びっくりした私は、長い付き合いだけどごちそうしてもらったことなんて一度もない、嘘をつくな!というと・・・
彼女がポツリ。。。
「家庭が崩壊するまではよくやっていたんだ」と言いました。
そういえば、彼女と出会ったときには・・・
幸せと食卓、深いつながりがあるのだと実感した瞬間でした。
私も、人を招待するとか、料理をふるまうなんて無縁でした。
しかし、最初に食事会をすることになったとき、まず一番に困ったのが器でした。
4人での会食でしたが、うちには4枚揃った器がありませんでした。
また、いろんな高級店を巡っている方々に出すような器も持っていませんでした。
そこで急遽購入の必要ができました。
器がどこに売っているのかもあまり知らなかった私は家の近くにあるアクタスへ。
「何もできない私が、あんな口のこえた人たちを呼んでいいのだろうか・・・」と中止したくなること複数回。
しかし無情にも約束の日は近づき、メニューを決め、器を決め、段取りを決めてあたふたしながら当日を迎えました。
その時に喜んでくださったゲストの方のお声、表情、リラックス感。
おひとりはテーブルでうとうとされ、初めて来た家で寝てしまったのは初めてと恐縮しながらも、そのくらいくつろげたと言ってくれた時の、「え、こんなおもてなし経験のない私がしたことで・・・」とすべての価値観の崩壊、という体験をしたことがありました。
それが、のちに、カウンセリングの一つの手法として「料理」を入れることにつながりました。
振り返ると、私にこの経験がなければ、今もカウンセリングの仕事ができているのかわかりません。
昔のように、既存の心理学だけでカウンセリングをしていたら、多くの人が言う「セラピーでは食べていけない」と言っていたかもしれません。
もちろん、料理が収入のウエイトを占めているわけではありません。税理士の先生にも、「この食事会、やる意味ありますか?」って聞かれることがあるくらいです(笑)
ただ、仕事として方向性には大きく影響を与えていて、今では料理レッスン後に「悩みが解決した」というお声も多々頂きます。
あと2回で終了する「きっかけ薬膳」の講座にはオンラインながら料理実習を付けているのですが、レッスン後に聞こえてくる声にも、
「甘いものが嫌いな主人ならどうアレンジしたらいいですか?」とか、
「主人が、子供が美味しいと喜んでくれました!」などの温かい気持ちになるお話が多いです。
料理を通してご本人の意識が変わり、食卓で家族の笑顔が増えている。
それって、毎日の食事が楽しくなるだけではなく、家族のかかわりにもプラスになることがあると思うのです。
そして、その料理を盛り付けるのが「器」です。
料理は目で食べると言われています。
一般の方が想定しているより、味覚は視覚の影響を受けています。
今回のメンバーで器遠足の後にご家族の嬉しいお声が聞けましたが、彼女は器を買ったわけではなく、おうちの器の使い方を変えてみただけなのです。
メンタリストのDaigoさんは「人生を変えたければ一番に食事を変えること」とおっしゃっていましたが、食事につきものは器ですよね。
デパ地下で買った総菜も、パックのまま出すより、100均の器でも移し替えることで美味しさってグッと増すと思うのです。
洗い物が増えるのに、パックから器に移し替える行動から思いやりを感じてくれるかもしれません。
何より、自分の気持ちも違うと思うのです。
もし、お子さんが小さくて、割れないものしか買えないという方は、
自分用のプレート1枚でも、お茶碗ひとつでも、ぜひ買ってみてください。
何事もやってみないとわかりません。
やってみて、紙皿が便利~と思ったらそれでもいいです。
紙皿が好きなら、真っ白の味気ないものより、ちょっとかわいい紙皿を探してみてください。
そのことで、あなたの心の何かはきっと動き出すと思うのです。
たかが器、されど器です。
言霊や音霊があるなら、料理を入れるウツワと人間のウツワには何かの関係があるかもしれません。
かの有名な「北大路魯山人」もこんな言葉を残しています。
「料理と食器とは相離れることのできない、いわば夫婦のごとき密接な関係がある。」
「うまく物を食おうとすれば、料理に伴って、それに連れ添う食器を選ばねばならぬ。」
なので、皆様も食や器がくれる豊かさについてちょっと考えてみてください。
ま、料理より器が好きな私が言っても説得力ないかもしれませんけどね(笑)
ちなみに、今回の丹波遠足での私の出会いは、祥公窯の音喜多美歩さんが作る紬器シリーズ。
こちらの器は急遽決まった11月28日の美容薬膳ランチョンで登場する予定です。
コロナ禍以降初めての食事会でちょっと緊張。めったに見ないニュースで世間のコロナ状況を日々チェック中。
キャンセルポリシーもコロナ版にしております。
お席はあとお二人ございます。
ぜひ、美容薬膳+器談義でお楽しみ頂ければと思います。詳細はこちらをご覧くださいませ。
最近サイトのヘッダー画像を自分で全部作成してちょっとだけ喜んでいるので嬉しがってこちらにも貼っちゃう↑